アイスハート

あの時、凍った私の心。炉心溶融、人を愛す心はいつ溶るのか。傷だらけの一片氷心の日常。

インクを気軽に楽しもうとガラスペンを買ったら美しすぎて息が詰まる

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この頃万年筆沼とインク沼にガッツリやられています。

先日、機会があって新しいインク瓶を4本ほど、思わず衝動買いしてしまいました。しかし、手持ちの万年筆4本のうち、コンバータを持っているものが2本だけで、新しいインクを好きな時に楽しみたいのに、すぐには万年筆に装填できない事に、どこかもどかしさのようなものを感じていました。

何か良い方法は無いものか、といろいろと調べると都内の文具店・カキモリが、オリジナルのインクを調合する際の試し書きにガラスペンの店頭貸し出しを行っている事を知り、ガラスペンという選択肢についてちょっとだけ考えて、結局買いました。

ガラスペンは単純に美しい

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私が購入したのは、ネットでそこそこの値段で手に入る、ルビナートのガラスペンとインク壺(ルビナートはインク瓶とは呼ばないようです。)のセットで、お値段は4000円弱でした。

とにかくインクの試し書き用だと思って購入した訳ですが、届いてビックリしました。

ガラスペンとしては、比較的安価な価格帯のものを購入したにも関わらず、ガラス特有の透明感に、ほどよく施されたシンプルな螺旋状の装飾。これが、おもむろにクルクルと回してみるとキラキラと可憐に光り、思わず見とれてしまったからです。

多少の気泡はありますが、1本のペンとしての芸術性が高いため、全く気になりません。むしろ、これは私の手許に届いたガラスペンの個性であり、私が不幸にもガラスペンを落として粉々に割ってしまわない限り、解放されることのない極小の閉じ込められた空間なのだな、と思わず私の中の中二病の詩人が顔を出します。

ザラリとした書き心地

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字を書くために握ると、万年筆やボールペンとは異なる、細身の色白美人を彷彿させる華奢で独特なグリップ感を覚えます。

軸からペン先に至るまで、すべての素材がガラスのため、筆圧の弱い私が字を書いても、その書き心地はザラリとした独特なもの。

鉛筆でも、万年筆でも、ボールペンでも感じたことのない、不思議な感覚で、かと言って割れたガラスで紙を切るような傷をつけている感触もありません。

ペン先に付けたインクの量に左右されますが、小さくて細かい字を書くのには不向きでしょう。

ただ、書くという行為そのものが楽しめる、新しい感覚です。

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また付属のインク壺ですが、開封すると、まるで固まった絵の具が削れ落ちるかのように細かい粉がポロポロと落ちます。

これは不良品ではなく、こういう演出のようです。薬瓶のような豆壺に封印された色彩を解放したような気分です。

インク沼が捗りそう

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ガラスペンは文字通りガラス製の繊細なペンですので、外出時に持ち歩く事はできません。当然、自宅専用の書斎用具になります。

故に、人に見せびらかすようなことは出来ませんが、見せびらかすために道具ではありません。

ただ、水でペン先を洗ってティッシュでサッと拭けば、短時間で様々なインクを楽しむ事ができるのはガラスペンならではの特徴でしょう。

これまで万年筆では、コンバータのインクが切れたタイミングでしかインク瓶が活躍する場が無かったわけですが、これからは、好きなときに好きなインクを1本のガラスペンで楽しめると思うと、純粋にワクワクします。

また、ガラスペン自体も奥が深く、手作りの一点ものも存在し、1本うん万円もするケースもあるようです。上記は哲磋工房さん手作りのガラスペンの販売サイト。『星の小夜曲(セレナーデ)』と『硝子の練習曲(エチュード)』の2本が気になるのですが、前者はなんと1本3万円超。これは危険な沼だ…。

インク沼の深淵(しんえん)の入り口からは以上です。

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