アイスハート

あの時、凍った私の心。炉心溶融、人を愛す心はいつ溶るのか。傷だらけの一片氷心の日常。

私が青春を共にした、おすすめの小説ランキングベスト50

私は小説が大好きです。

いったい、何歳で本を手に取ったのか、具体的には覚えていません。しかし、まだ小学校に入る前から漢字が読めないなりに家にあった小説を手に取り、ページをめくり、本の匂いを嗅ぐのが大好きだった事を今でもよく覚えています。

社会人になってからは、本を読了していくペースがかなり遅くなりましたが、私が青春を共にした小説たちは今でも色褪せません。

ここでは、学生時代に「本の虫」とベタなアダ名を付けられた私が愛した、”個人的に”不朽の名作を50選びました。漫画と違い、小説は直感的な選択が難しく、口コミに頼るしか無いところもあるかもしれません。そういった人たちの選択の助けとなれば幸いです。

セレクト50のルールを4つ

1.日本を代表する大文豪の作品は除く

夏目漱石、芥川龍之介、正岡子規、三島由紀夫、太宰治、森鴎外など、誰でも一度は作品を目にすることがある作家の作品は除きます。
『我輩は猫である』や、『こころ』、『羅生門』などは国語の教科書などで、誰でも読んだことがあると思いますし、気軽に読む小説というよりは芸術の域に達していると思うためです。

2.ケータイ小説は除く

『恋空』、『Deep Love』、などを代表とするケータイ小説は除きます。

これは私が実際にブームとなった時期に書籍化されたものを購入/読了し、単純につまらないと感じ、それほど読んだことが無いためです。(女流作家や、恋愛小説を否定するものではありません。)

3.ライトノベルは除く

ライトノベルは対象外です。

小説は、登場人物や、その登場人物たちが登場する舞台などのイメージは、読んだ読者だけのものというのが私の持論だからで、カバーや挿絵でそれらを邪魔をするライトノベルは私の小説の定義に反するからです。

もちろん、ライトノベルを否定している訳ではありません。私の大好きな作家にはライトノベルがデビュー作の人もいますし、何より『物語シリーズ』を代表とする西尾維新の作品や、『とある魔術の禁書目録』や、『とある科学の超電磁砲』などは、別物として大好物です。

ライトノベルと一般的な小説は別物として楽しむものだと思います。

4.ジャンルは特定しない

恋愛/純愛、ホラー、ミステリー、ノンフィクション、色々ありますが、ジャンルは特定しません。

友人から紹介されたり、本屋の平積みで目に止まったり、何も考えずに気がついたら積ん読になっていたり、本を手に取る時にジャンルから絞り込みをかけたりしないからです。

ランキング50

少々前提が長くなってしまいましたが、はじめたいと思います。

【第50位】リアル鬼ごっこ(山田悠介)

(佐藤〉姓を皆殺しにせよ! 西暦3000年、国王は7日間にわたる大量虐殺を決行。佐藤翼は妹を救うため、死の競走路を疾走する。若い世代を熱狂させた大ベストセラーの〈改訂版〉。

大学時代に、友人から半ば押し付けられるように「面白いから」とオススメされ、読んだ作品です。

期待を込めて読んだところ、稚拙な文書や主人公達の物語に不要と思われる、謎過ぎる行動など、読んでいてクスリと来る意味では確かに面白く、後日友人に笑いが止まらなかった旨の感想を伝えたところ、どうもやら認識にズレが有ったようですが、Amazonなどのレビューを見てみると概ね私の様な意見が多い作品の様子です。

映画化、テレビドラマ化、ゲーム化など、各メディアに与えた影響には目を見張るものがありますし、タイトルのセンスは抜群で、興業的には成功を収めた作品だと思います。

山田悠介の他作品は、本屋さんでは平積みにされている事が多く、よく目に止まるのですが、手に取ることはありませんが、「こういう文書でも小説って出版できるんだよ。」と、世の小説家志望の人たちを奮い立たせる作品としては、金字塔的な存在です。(あまり、習って頂きたくはありませんが。)

本当はこのランキングに入れたくも無かったのですが、別のベクトルからの観点としては逸品のため、敢えて掲載しました。なお、他作品のレビューをAmazonにて拝見しましたところ、近年の他作品におかれましても概ね変化が無い様です。

【第49位】少年ケニヤシリーズ(山川惣治)

アフリカのケニアを舞台に、孤児になった日本人少年ワタルが仲間のマサイ族の酋長やジャングルの動物たちと冒険をする物語。1951年10月7日から1955年10月4日まで『産業経済新聞』(現:産経新聞)に連載されていた。『少年ケニヤ』は大人気となり、映画化、テレビドラマ化、漫画化、アニメ映画化なども行われた。その人気ぶりに『少年ケニヤ』は週1回の掲載から毎日の連載になり、『産業経済新聞』が一時は『ケニヤ新聞』と言われたほどだったという。山川惣治にとっては『少年王者』に次ぐ大ヒット作品であり、代表作ともなった。1984年に角川書店がアニメ映画化した際には1983年から角川文庫でリバイバルされて、全20巻が復刊された。
出典:少年ケニヤ - Wikipedia

私の記憶では、生まれて初めて手にした小説です。

内容については、今では殆ど覚えていませんが、小学校に入る前でまだ漫画というものにも触れたことが無い私が、初めて手にした本です。自宅にあったのは、おそらくリバイバル版で、何故か全てカバーが取り払われていた事をよく覚えて言います。

残念ながら、現在は新刊で購入することは大変難しいようですが、私が生まれて初めて手にした小説ということで、ランキングに入れました。

【第48位】君のそばで会おう(銀色夏生)

実家に小さいころから置いてあった写真付きの詩集です。

詩に嗜みはありませんが、こういう本もあるのかと衝撃を受けた記憶があります。

詩集は小説か?と、聞かれるとちょっと違う気もしますが、少年ケニア以降、文庫本に興味を持つキッカケとなった本であり、私の読書人生に深く関わった事に違いは無いのでランクインさせました。

【第47位】変身(フランツ・カフカ)

ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

大学時代、ゼミの教授に「どうしようもないくらい、理不尽な小説を読みたい」、と言ったところ紹介されたのが本書。

朝目が覚めたら自分が毒虫になっていた、という本当にどうしようもなく救いのない理不尽な物語。

「変身」自体は短編で、ページ数は極めて少ないのですが、翻訳のせいか全体を通して読みづらいです。(難解という訳ではなく、日本語として読みづらい。)
ただ、読んでおくと何かと話のネタになる事が多いので損はありません。というか、世界的に見たら名作の部類なんですけどね。

【46位】アナザヘヴン (飯田譲治・梓河人)

ベテラン軍事飛鷹健一郎と部下の早瀬学の前に東京を震撼させる連続殺人事件が発生した。犯人は、殺害した被害者の首を切り取り脳を料理して食べていたのだ。飛鷹と早瀬は犯人らしきひとりの女を追いつめ、事件は解決するかのようにみえたが…。未知の猟奇殺人事件にふたりの刑事が挑む、サイコサスペンス巨編。

いわゆるサスペンス。

それまで敬遠してきた、上下巻に渡る長編に初めてチャレンジした作品です。ちょうど本書を読んでいたのは高校生くらいの時の事で、こういった犯人がサイコパスなSFホラーが大好きでした。

ちなみに、続編であるアナザヘヴン2も上下共に読了していますが、感想は概ねこちらと変わりませんので割愛致します。(以降のランキングには入れていません。)

【第45位】It(それ)と呼ばれた子

ガスコンロで焼かれる。塩酸入り洗剤で掃除をさせられる。赤ん坊の汚物を食べさせられる。児童虐待を生き抜いた著書がはじめて明かした、壮絶な日々の記録

ヴィレッジヴァンガードで平積みにされていたのが目に止まり、購入したことを覚えています。

ノンフィクションなので厳密に言えば小説ではありません。しかし、平凡な家庭を逸脱した一種の物語でもあるので、小説としてランクインをさせました。

普通の家庭で、普通に育つ事が、いかに幸せなことかを考えさせられます。今は過去の話ではありますが、こういった真逆の人生の物語が大ヒットしたのは、私達はそういった異なる世界を知ることで、一種の優越感を覚えたいからなのかもしれません。

【第44位】蛇にピアス(金原ひとみ)

蛇のように舌を二つに割るスプリットタンに魅せられたルイは舌ピアスを入れ身体改造にのめり込む。恋人アマとサディスティックな刺青師シバさんとの間で揺れる心はやがて…。第27回すばる文学賞、第130回芥川賞W受賞作。(解説/村上 龍)

芥川賞受賞、ということで何かと話題になった作品で、映画化もされています。

こういった賞に輝き、話題となった作品というものは、この他にも沢山ありますが、私はそういった作品から選んで読むことはありません。そんな中、敢えてこの作品を選んだ理由は、当時本屋で立ち読みだけで読了ができてしまい、その印象が今でも色濃く残っているからです。

内容については、高校生以降くらいから読まないとちょっと刺激が強いので、お子様にはあまりオススメはできません。賛否両論あるようですが、物語の内容やページ数などが適量で、まさに小説そのもの、と私は思います。

【第43位】黒い雨(井伏鱒二)

原爆投下のお話しです。はだしのゲンが有害図書なら、黒い雨を読めばいいじゃない。

高校の修学旅行の行き先が長崎で、可能であれば出発前までに読むように、と学校から配布された小説。
当時の凄惨な状況が生々しく描かれた作品で、書き方も中々古めかしく、誰にでも薦められる小説ではありませんが、後世に残すべき作品の1つである、と思っています。

余談ですが本作品の舞台は広島で、手にするキッカケとなった修学旅行先の長崎とは、原爆を投下された街という共通点があるものの、ちょっと苦しいのではと思った事を、10年以上経った今でも覚えています。

【第42位】魔術はささやく(宮部みゆき)

それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。さらに魔の手は四人めに伸びていた……。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。日本推理サスペンス大賞受賞作。

私が手にしたのは、中学生か高校生くらいの時の事で、宮部みゆきの大ファンの友人からの影響からでした。SFの女王とは何ぞや、とかそういった純粋な興味で本位て手にした作品です。

作者は無類のゲーマーとの先入観があったため、本作品には良い意味で裏切られました。詳細な内容までは覚えていませんが当時、夢中になって読んだ記憶があります。

【第41位】流しのしたの骨(江國香織)

いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな`小さな弟'律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

タイトルから、勝手にホラーかサスペンスものと思い込んで購入した作品。

物語自体は、ほのぼのとしたお話しなのですが、至るところに女性らしい表現を感じ、まるで少女マンガを思わず読んでしまったような気持ちになりました。
しかし、それまで私は、男性目線で物語が進行していく物や、逆に女性であってもそういった性の違いは本編にあまり関係のない作品を多く読んでいたので、ジェンダーの違いという意味で多くの刺激を受けた作品です。

【第40位】平面いぬ。(乙一)

「わたしは腕に犬を飼っている―」ちょっとした気まぐれから、謎の中国人彫師に彫ってもらった犬の刺青。「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、動き出し…。肌に棲む犬と少女の不思議な共同生活を描く表題作ほか、その目を見た者を、石に変えてしまうという魔物の伝承を巡る怪異譚「石ノ目」など、天才・乙一のファンタジー・ホラー四編を収録する傑作短編集。

『平面いぬ。』『BLUE』『はじめ』『石ノ目』の4つの作品が収録された短篇集。

ホラーと言えるのはおそらく『石ノ目』だけで、平面いぬを含め、感動物が多い印象です。かくいう『石ノ目』も、ホラーというよりは切ないお話しとも解釈できます。

乙一という作家は総じて短編が多いため、あまり身構えず、気軽に読めるのも魅力のひとつ。

【第39位】フライ・ダディ・フライ(金城一紀)

鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは―。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは―ザ・ゾンビーズの面々だった!脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる。

正義は必ず勝つ、といった王道の物語。

ザ・ゾンビーズシリーズの、別人物目線のお話しの様です。様です、と書いたのは実は他のシリーズを読んだことが無いためです。しかし、私がそうだったように、シリーズのはじめから読まなくとも十分に楽しめる物語だと思います。

難しいサスペンスや推理小説のような小細工などは一切ない、王道な作品です。

【第38位】華岡青洲の妻(有吉佐和子)

世界最初の全身麻酔による乳癌手術に成功し、漢方から蘭医学への過渡期に新時代を開いた紀州の外科医華岡青洲。その不朽の業績の陰には、麻酔剤「通仙散」を完成させるために進んで自らを人体実験に捧げた妻と母とがあった――美談の裏にくりひろげられる、青洲の愛を争う二人の女の激越な葛藤を、封建社会における「家」と女とのつながりの中で浮彫りにした女流文学賞受賞の力作。

ここでまた古い作品です。高校時代の国語の教師から本をもらい、読んだ作品です。

医療技術の進歩と、その成功の裏側を別の切り口から語る物語ですが、私は「人は自分の愛する人のために、どこまで犠牲になることができるのだろう。」と考えさせられました。

【第37位】死者のための音楽(山白朝子)

怪談専門誌『幽』2号から7号までに連載された6篇の怪談短編に、書き下ろし作品を加えた愛と哀しみの短編集。幻想的な異界への境界と、親と子を描いた叙情的な物語は、怪談ファンのみならず幅広い読者の支持を得る。待望の初単行本。

帯で乙一が絶賛していたため購入。趣味が焚き火、という怪しい筆者。 おかしいなと思い、調べてみたら案の定、乙一が別名義で執筆した作品でした。

童話のような短編が多いという印象で、表題の『死者のための音楽』は、特にひねりのない物語ですが、非常に美しい物語です。

黄金工場など夢のある話しも、世の中そんなに美味しいことだらけじゃないよね、というオチ付き。本当は恐ろしいグリム童話のような世界観の作品です。

【第36位】デミアン(ヘルマン・ヘッセ)

ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、明るく正しい父母の世界とは別の、私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、真の自己を求めていく過程を描く。

非常に解釈の多い作品の様です。あまり安直な感想を書くと批判が飛んできそうなので簡潔に。

とても綺麗で、綺麗すぎて読んでいて何だかこそばゆい気持ちになる物語です。

【第35位】ナイフ(重松清)

「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。僕たちの世界は、かくも脆いものなのか! ミキはワニがいるはずの池を、ぼんやりと眺めた。ダイスケは辛さのあまり、教室で吐いた。子供を守れない不甲斐なさに、父はナイフをぎゅっと握りしめた。失われた小さな幸福はきっと取り戻せる。その闘いは、決して甘くはないけれど。

1冊で完結する小説を読みたいと、中学生くらいの時に読んだ作品。

ちょうどこの頃、イジメが社会問題化していた頃だったと記憶しています。幸い、私の身の回りではイジメは無かった様子だったものの、短編ながら、震えながら読みました。

重松清の作品は、家族系の作品が多いことが特徴です。

【第34位】レベル7(セブン)(宮部みゆき)

レベル7まで行ったら戻れない――謎の言葉を残して失踪した女子高生。記憶を全て失って目覚めた若い男女の腕に浮かび上がった「Level7」の文字。少女の行方を探すカウンセラーと自分たちが何者なのかを調べる二人。二つの追跡行はやがて交錯し、思いもかけない凶悪な殺人事件へと導いていく。ツイストに次ぐツイスト、緊迫の四日間。ミステリー・サスペンスの最高峰、著者初期の傑作。

いかにもSFといった表紙ですが、内容は本格的なミステリーで、1冊ものですが肉厚で、中々読み応えがあります。

【第33位】百瀬、こっちを向いて(中田永一)

「人間レベル2」の僕は、教室の中でまるで薄暗い電球のような存在だった。野良猫のような目つきの美少女・百瀬陽が、僕の彼女になるまでは―。しかしその裏には、僕にとって残酷すぎる仕掛けがあった。 「こんなに苦しい気持ちは、最初から知らなければよかった……!」  恋愛の持つ切なさすべてが込められた、みずみずしい恋愛小説集。

中田永一って誰?⇒乙一の別名義です。

社会人になって、しばらく思うように本が読めなかった僕に、乙一を教えた友人から逆に教えられた作品。

全て主人公が異なる、乙一の恋愛小説の短篇集です。内容はすごいベタだけど、乙一独特の切なさが文書から滲み出ています。

【第32位】暗黒童話(乙一)

死者の眼球が呼び覚ます悪夢の記憶とは? 事故で記憶と左目を失ってしまった女子高生の「私」。臓器移植で死者の眼球の提供を受けたのだが、その左目がある映像を再生し始めて……。

乙一の長編ホラー作品です。

ただ怖いだけではなく、不思議で何処か切ない物語です。とはいいつつ、凄惨で残酷な描写もあるので、人によってはドン引きするかもしれません。

本作品に限ったお話しではありませんが、乙一の作品は、あとがきを読むことも一つの楽しみ方だったりします。

【第31位】死神の精度(伊坂幸太郎)

ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に…様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様。

大学時代、伊坂幸太郎が大好きな友人が周りに2人いて、それぞれに最初にオススメされたのが本作品。

大きな感動や、大どんでん返しはありませんが、短編で構成されているため、あっという間に読了できました。人の死には興味がないのに人が作った音楽が大好きで、人間界に来るといつも雨が降るだとか、微妙に細かい設定も好感が持てました。

ちなみにのちに読んだ、死神・千葉が長編になって帰ってきた『死神の浮力』もすごく良かったです。

【第30位】クロスファイア(宮部みゆき)

青木淳子は常人にはない力を持って生まれた。念じるだけですべてを燃やす念力放火能力―。ある夜、瀕死の男性を“始末”しようとしている若者四人を目撃した淳子は、瞬時に三人を焼殺する。しかし一人は逃走。淳子は息絶えた男性に誓う。「必ず、仇はとってあげるからね」正義とは何か!?裁きとは何か!?哀しき「スーパーヒロイン」の死闘を圧倒的筆致で描く。

SFの女王全開。念力放火能力(パイロキネシス)が使えたのなら、私にもそんな時期がありました。

悪い奴は消し炭にして処刑をする、というだけの単純なストーリーではありません。

人間であり、女性である。殺人マシーンにはなり切れない、そんな葛藤が読み手の心を揺さぶります。

【第29位】アンドロイドは電気羊の夢を見るか(フィリップ・K・ディック)

長く続いた戦争のため、放射能灰に汚染され廃墟と化した地球。生き残ったものの中には異星に安住の地を求めるものも多い。そのため異星での植民計画が重要視されるが、過酷で危険を伴う労働は、もっぱらアンドロイドを用いて行われている。また、多くの生物が絶滅し稀少なため、生物を所有することが一種のステータスとなっている。そんななか、火星で植民奴隷として使われていた8人のアンドロイドが逃亡し、地球に逃げ込むという事件が発生。人工の電気羊しか飼えず、本物の動物を手に入れたいと願っているリックは、多額の懸賞金のため「アンドロイド狩り」の仕事を引き受けるのだが…。

映画ブレードランナーの原作。

このタイトルの言い回しのパロディをよく聞きますが、読んだことのある人は意外と少ない印象です。海外文学にしては翻訳も読みやすいので、読書人生で一度は読んで損は無いと思います。

ちなみに、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画トータル・リコールは短編小説『追憶売ります』、トム・クルーズ主演の映画マイノリティ・リポートは短編小説『少数報告』と、フィリップ・K・ディックの小説を原作とする有名な映画は、数多く存在します。

最近では、アニメ『PSYCHO-PASS』で、ニヒルな悪役「槙島聖護」がシビュラシステムに支配された街をディストピアとして皮肉った事でも有名ですね。

【第28位】はじめての文学(村上春樹)

これから、文学をはじめて学ぶ人に向けた作品とは思えません。

村上春樹の短篇集で、私は本書に収められたカエルくんのお話しが好きです。

この『はじめての文学』は、他にも著名な作家が同タイトルで表紙を色違いとしたものが出版されている、シリーズものです。(よしもとばななはピンク、村上龍は水色、等)本棚にズラリと並べたらオシャレすぎてヤバイです。

【第27位】キャッチャー・イン・ザ・ライ (J.D.サリンジャー)

ホールデン・コールフィールドが永遠に16歳でありつづけるのと同じように、この小説はあなたの中に、いつまでも留まることでしょう。雪が降るように、風がそよぐように、川が流れるように、ホールデン・コールフィールドは魂のひとつのありかとなって、時代を超え、世代を超え、この世界に存在しているのです。さあ、ホールデンの声に(もう一度)耳を澄ませてください。

ライ麦畑でつかまえて。

ランク付をするには余りに恐れ多い名作です。しかし、私が注目して欲しいのは、村上春樹が翻訳をしている事です。

海外文学の翻訳版というものは、登場人物の名前がよく分からなければ、日本語もおかしくて読みにくい物が非常に多いのですが、こんなに読みやすい海外文学は今まで他にありませんでした。

他にもグレート・ギャツビーの村上春樹翻訳版もあります。

【第26位】暗いところで待ち合わせ(乙一)

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。駅のホームで起きた殺人事件が、寂しい二人を引き合わせた。犯人として追われるアキヒロは、ミチルの家へ逃げ込み、居間の隅にうずくまる。他人の気配に怯えるミチルは、身を守るため、知らない振りをしようと決める。奇妙な同棲生活が始まった―。

ホラーと思って買ったら、ほっこり感動系のお話しでした。ただ、そのキッカケが殺人事件という点が乙一らしいかなぁと思います。

ちなみに、田中麗奈主演で映画化されており、そちらの評価は概ね良い様です。アキヒロの配役が謎の中国人という、キャストが残念で、私は映画は見ていません。

【第25位】イン・ザ・プール/精神科医・伊良部シリーズ(奥田英朗)

体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは──とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題。でもなぜか病は快方へ……? 続篇『空中ブランコ』で直木賞受賞、現代世相の病理をコミカルかつ軽妙な筆致で描き出す。精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!

『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』、『町長選挙』と、共通してNIRVANAのNEVERMINDを彷彿させる赤ちゃんの写真が印刷された表紙が特徴です。

書評は・・・面白いに尽きます。精神科医・伊良部が登場する短編集となっているため、テンポよく読み進めることができるため、読み始めたらあっという間に読了してしまえると思います。

引用にもありますが、とにかくコミカルで、読んでいる途中に、耐え切れずに吹き出してしまう事もありましたので、電車等の公共交通機関や、図書館ではちょっと読みづらい点だけが傷です。

【第24位】夏の庭(湯本香樹実)

町外れに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ――。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変え始めていたのだが……。喪われゆくものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。

学生時代の夏休みの課題図書で読んだ作品。

ちょうどこの頃、私の母方の祖父が亡くなった頃だったため、特別な感情移入をしながら読みました。今でも夏になると平積みされているベストセラーです。

【第23位】星新一のショート・ショート・ストーリー

どの書籍を選ぼうか非常に悩みました。

というのも星新一は、ショート・ショートと呼ばれる作風が有名な作家で、一つ一つの物語がとんでもなく短いのです。
わずか2ページ足らずで完結する作品もあるほどです。書籍のタイトルはそんな膨大なショート・ショートストーリーの一端でしかありません。

じゃあ内容が薄いのかというと、そうでもなく、独特な世界観で、基本的にはSFの物が多いです。

読書が苦手な人でも、一度は手にとってもらいたい作品です。

【第22位】車輪の下(ヘルマン・ヘッセ)

南ドイツの小さな町。父親や教師の期待を一身に担ったハンス少年は、猛勉強の末、難関の神学校入試にパス。しかしその厳しい生活に耐えきれず、学業への情熱も失せ、脱走を企てる。「教育」という名の重圧に押しつぶされてゆく多感な少年の哀しい運命をたどる名作。

デミアンとよく比較される作品。中学時代に国語の先生のススメで読んだ本です。

なるほど、勉強しすぎるなよって事ですね、と勉強をサボったら猛烈に叱られたのは良い思い出です。

【第21位】ZOO(乙一)

最も注目される若手ナンバーワン、乙一のホラー短編集。毎日届く恋人の腐乱死体の写真。彼女を殺したのは誰? 「犯人探し」に奔走する男を描く表題作ほか、書き下ろしを含む全10編を収録。

何なんだこれは。

残酷で凄惨な物語が数多く収録されている短篇集ですが、この中に含まれている『陽だまりの詩』という作品で号泣してしまいました。

【第20位】ブルータワー(石田衣良)

悪性の脳腫瘍で、死を宣告された男が200年後の世界に意識だけスリップした。地表は殺人ウイルスが蔓延し、人々は高さ2キロメートルの塔に閉じこめられ、完璧な階層社会を形成している未来へ。「…この物語は平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。『ブルータワー』へようこそ! 夢みる力が決して失われる事のない世界へ」(著者の言葉)

美しい装丁で、思わず手に取り、気がついたらレジで支払いを終えていた小説です。

私事ですが、最近身近な大切な人が悪性の脳腫瘍になってしまい、有りがちな物語と思っていた本作品でしたが、今は特別な感情が沸き起こるものになりました。

【第19位】オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島"には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか?

伊坂幸太郎のデビュー作品。これも『死神の精度』と同じく、伊坂幸太郎を敬愛する友人から進められ、読んだ作品です。

作者と主人公が元システムエンジニアという点が何となく、同じシステムエンジニアの端くれとして好感が持てました。長編小説ですが、意外とスラスラと読了できちゃいます。

【第18位】東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜(リリー・フランキー)

オカン。ボクの一番大切な人。ボクのために自分の人生を生きた人—-。 四歳のときにオトンと別居、筑豊の小さな炭鉱町で、ボクとオカンは一緒に暮らした。やがてボクは上京し、東京でボロボロの日々。還暦を過ぎたオカンは、ひとりガンと闘っていた。

一斉を風靡した作品です。

私にとっては、この本がキッカケで当時の彼女が出来た、という意味でも思い入れの深い作品です。(その詳細は割愛します。)

リリー・フランキーと言えば、ココリコミラクルタイプで、あまり喋らないものの、いつも無邪気な笑顔で笑っているナイスミドル、というのが私の勝手なイメージでしたが、本作品でイメージが一変しました。

現在私は実家を離れて一人暮らしをしているので、こういった家族もののお話しは、また読みたくなります。

【第17位】西の魔女が死んだ(梨木香歩)

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。

僕らのシリーズを卒業し、女性作家の本が読みたいと思い、手に取った作品のうちの1つ。

タイトルと裏表紙の記述から内容が分かってしまいますが、一読の価値は十分にあります。なぜか、『夏の庭』のすぐ近くに平積みされていることが多い作品でもあります。

【第16位】ブレイブ・ストーリー(宮部みゆき)

おだやかな生活を送っていた男の子に、突然、両親の離婚話がふりかかる。家を出た父を連れ戻し、再び平和な家族に戻りたいと強く願う少年が向かった先は、運命を変えることのできる女神の住む世界「幻界(ヴィジョン)」だった。5つの「宝玉」を手に入れ、女神のいる「運命の塔」を目指す彼を待ち受けるものとは!? トカゲ男にネコ娘、火を噴くドラゴン。コミカルなキャラクター勢とともに、次々と沸き起こるトラブルを乗り越え、少年は強くたくましくなってゆく。

発売当初は、広辞苑やイミダスみたいな分厚い上下巻のみの展開でしたが、現在は3冊に文庫化されている様です。

上記の物理的なサイズ事情から、持ち歩くことが困難だったため、自宅にてかなりの時間をかけて読了をしました。その当時は特別面白いとは思わなかったのですが、大人になった今になって読み返すと無茶苦茶面白いです。

アニメで映画化もされていて、だいぶ話が端折られていますがこちらも中々面白かったです。

【第15位】ぼくらのシリーズ(宗田理)

中学生たちが主人公で青春を謳歌する超有名シリーズ。発行はそれなりに古く、私が生まれる1年前の1985年です。

これは、年が一回り離れた兄が買った『ぼくらの七日間戦争』が自宅に置いてあり、小学校の高学年くらいになった私が手に取り、はじめてまともに読んだ小説です。この頃はゲームは1日1時間の教育方針だったため、余った暇な時間をこのシリーズを読む事に費やしました。

月のお小遣いを全て『ぼくらのシリーズ』につぎ込むほどハマり、小学生〜中学生1年生の前半までガッツリと、かなりの期間を宗田理の作品と共に過ごしました。

あまりにシリーズが多すぎるため、魔女戦記シリーズを読み終え、25作品目である『ぼくらの卒業旅行』で文字通りぼくらのシリーズを卒業しました。

もし、自分が将来結婚をして子供が出来たなら、物心ついた頃に読ませたい作品の1つで、私の読書人生の正式なスタートラインに位置する小説のため、内容や適性年齢はともかく本順位としました。

余談ですが、このぼくらのシリーズの主人公の一人の菊池が教師となったシリーズが、今でも刊行されているようです。

【第14位】風の歌を聴け(村上春樹)

ご存知村上春樹のデビュー作にして、羊シリーズの第一部です。

当時、「外国の翻訳小説の読み過ぎで書いたような、ハイカラなバタくさいつくり」と、とある出版社からは酷評された様ですが、私はそんな村上春樹のナルシストな文書に本書でドはまりし、後々村上春樹の作品にのめり込んでいくキッカケとなりました。

・・・その当時、村上春樹をこき下ろした出版社の人って息してるのかな、なんて思ったり。

【第13位】海と毒薬(遠藤周作)

戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理的真空がこのような残虐行為に駆りたてたのか? 神なき日本人の“罪の意識"の不在の無気味さを描き、今なお背筋を凍らせる問題作。

高校時代の国語の教師に、オススメされた作品。

実話を元に執筆された作品で、敗戦国としての日本の被害者は、必ずしも日本人だけではない、日本の黒歴史に言及した小説。戦時中なら何でもありだったのかな、とかそんな事を考えさせられる作品。

【第12位】ノルウェイの森(村上春樹)

暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた。―限りない喪失と再成を描き新境地を拓いた最編小説。

村上春樹の恋愛小説。『風の歌を聴け』の僕の学生時代のお話し。

ハルキストの中には、本作品を一番に掲げる人もいるかもしれませんが、私は他に好きな作品がたくさんあるため、この順位としました。私は本作品を読んだのは大学時代だったため、色々と変化を経験した今読むと、また解釈が変わるかもしれません。

ちなみに近年、松山ケンイチ、菊池凛子、といった豪華なキャストで映画化し、盛大に滑った様です。個人的には村上春樹の作品を映像化することは、ちょっと難しすぎるんじゃないのかな、と思います。

【第11位】失はれる物語(乙一)

目覚めると、私は闇の中にいた。交通事故により全身不随のうえ音も視覚も、五感の全てを奪われていたのだ。残ったのは右腕の皮膚感覚のみ。ピアニストの妻はその腕を鍵盤に見立て、日日の想いを演奏で伝えることを思いつく。それは、永劫の囚人となった私の唯一の救いとなるが…。表題作のほか、「Calling You」「傷」など傑作短篇5作とリリカルな怪作「ボクの賢いパンツくん」、書き下ろし最新作「ウソカノ」の2作を初収録。

乙一の切ない短編の詰め合わせ作品集。装丁が非常に美しく、特にハードカバー版は一見の価値ありです。

特に表題にもなっている『失はれる物語』は、自分が双方の立場だったらどうするのだろう・・・と、考えさせられる作品。

また本編に収録されている『しあわせは子猫のかたち』にはホッコリさせられます。(暗いところで待ち合わせ同様、キッカケが乙一らしいものでしたが。)

ただし、私の手許にあるのは単行本のため、書き下ろし2作は読んだことがありません。

【第10位】ホワイトアウト(真保裕一)

日本最大の貯水量を誇るダムが乗っ取られた。人質は発電所員と下流域の市町村。残された時間は24時間。同僚と亡き友の婚約者を救うべく、ダムに向かう主人公・富樫のもう一つの、そして最大の敵は、絶え間なく降りしきる雪、雪、雪…。吹雪に閉ざされ、堅牢な要塞と化したダムと厳寒期の雪山に展開するハードアクション・サスペンス。

新潟県の奥只見ダム(作中では奥遠和ダム)を舞台とした本格長編サスペンス。

ストーリーざっくり言うと、冬のダムを舞台とした和製ジェームズ・ボンド(ないし、ジョン・マクレーン)が活躍するハードボイルドな作品です。しかし、吹雪に閉ざされ、あたり一面が雪で真っ白となる、作品名にもなっているホワイトアウトなど、厳冬の冬山の表現方法が繊細で丁寧で美しい作品です。

富山県の黒部ダムを舞台に、織田裕二主演で映画化もされています。

【第9位】氷点(三浦綾子)

辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた―。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。

社会現象を起こした作品らしいですが、残念ながらその頃私は影も形もありませんでした。

日曜にテレビで放送される「笑点」の元ネタということで、軽率な気持ちで手に取ったら、実はとんでもない名作でした。愛憎がテーマとなっているため、とても胸が苦しく、読み手を選ぶ気もしますが、日本人なら読んでおきたい作品。

続・氷点も読了しましたが、そちらへの言及は割愛致します。

【第8位】羊をめぐる冒険(村上春樹)

厳密に選ぶのであれば、『風の歌を聴け』、『1973年のピンボール』、『羊をめぐる冒険』、『ダンス・ダンス・ダンス』の4つをまとめて1つの作品として扱うべきかもしれませんが、敢えてバラバラに選択しています。

実は学生時代に、「羊男」に関する論文を書いたことがあるので、特に『羊をめぐる冒険』については思い入れが深い作品だったりします。

余談ですが論文には全く反響がありませんでした。

【第7位】塩狩峠(三浦綾子)

結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。

号泣。

氷点で三浦綾子の作品に興味を持ち、続・氷点を手にする前に読んだ作品。

高校の頃、授業中に読んでいたところ、そのまま授業中に号泣してクラスからの失笑を買う、という失態をやらかす元となった作品。

実話を元に書かれた作品というのが、また泣けます。

【第6位】クリムゾンの迷宮(貴志祐介)

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された。死を賭した戦慄のゼロサムゲーム。一方的に送られてくるメッセージ。生き抜くためにどのアイテムを選ぶのか。自らの選択が明日の運命を決める―!

ホラー作品にハマっていた頃に何気なく手に取った作品。

長編小説ですが、ホラーアクションゲームをやっているかのような感覚で、あっという間に読了してしました。

普段、ライトノベルしか読まない友人に読ませたところ、「自分用に持っておきたい」と、わざわざ新品のハードカバー版を買う、という奇行に走ってしまいました。

【第5位】海辺のカフカ(村上春樹)

15歳の誕生日、少年は夜行バスに乗り、家を出た。一方、猫探しの老人・ナカタさんも、なにかに引き寄せられるように西へと向かう。暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて。

複雑な設定の人物が沢山登場するため、少々混乱しかけるかもしれません。しかし、村上春樹の作品はスラスラとは読みにくい、と少々感じていた私でもスラスラと読むことができました。

読み手を選ぶ作品だとは思いますが、間違いなく名作。私が村上春樹の作品に手を出したのは大学生になってからだったので、もっと早くに読んでおきたかった作品の一つです。

【第4位】GOTH(乙一)

森野夜が拾った一冊の手帳。そこには女性がさらわれ、山奥で切り刻まれていく過程が克明に記されていた。これは、最近騒がれている連続殺人犯の日記ではないのか。もしも本物だとすれば、最新の犠牲者はまだ警察に発見されぬまま、犯行現場に立ちすくんでいるはずだ。「彼女に会いにいかない?」と森野は「僕」を誘う…。人間の残酷な面を覗きたがる悪趣味な若者たち―“GOTH”を描き第三回本格ミステリ大賞に輝いた、乙一の跳躍点というべき作品。

私が乙一の大ファンになるキッカケとなった作品。

あまり子供には見せたくない内容ですが、短編でこのクオリティは今のところ味わったことがありません。

文芸作品としてはどうなの?と、聞かれると答えに詰まりますが、単純な衝撃という意味では私の読書人生の中では郡を抜いた存在です。

第4(=死)位という位置づけも、私なりの遊びです。私のネットのハンドルネーム「夜」も、この作品に出てくる女の子から拝借しております。(私は男ですが。)

【第3位】青の炎(貴志祐介)

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを…。完全犯罪に挑む少年の孤独な戦い。その哀切な心象風景を精妙な筆致で描き上げた、日本ミステリー史に残る感動の名作。

ただただ、切なくてつらい。涙なしでは読めません。

クリムゾンの迷宮で貴志祐介を知り、他著書ということで興味本位で手にしたのが本書。読了当時、ちょうど主人公と歳が同じくらいだったため、感情移入が半端無かったです。読み終わった瞬間しばらく何にも手を付けられませんでした。

二宮和也と松浦亜弥なんてテキトーな色物キャストで映画化された事が残念でなりません。

余談ですが、私がロードバイクに乗ることになったルーツは本作品にあります。

【第2位】ハリー・ポッターシリーズ(J.K.ローリング)

ハリー・ポッターは孤児。意地悪な従兄にいじめられながら11歳の誕生日を迎えようとしたとき、ホグワーツ魔法学校からの入学許可証が届き、自分が魔法使いだと知る。キングズ・クロス駅、9と3/4番線から紅色の汽車に乗り、ハリーは未知の世界へ。親友のロン、ハーマイオニーに助けられ、ハリーの両親を殺した邪悪な魔法使いヴォルデモートとの運命の対決までの、息を飲む展開。9歳から108歳までのファンタジー。

全世界に魔法をかけた世界的ベストセラーにして、超大作。

親戚の本屋さんから薦められ、賢者の石をはじめて手にした当時、高校生だった私は、学校から帰ると直ぐにハリー・ポッターの世界に入り、夕方から明け方まで、狂ったように読み耽っていました。

近ごろではユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、ホグワーツの世界が再現されているらしく、とっても行きたいフォイ。

【第1位】世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(村上春樹)

〈私〉の意識の核に思考回路を組み込んだ老博士と再会した〈私〉は、回路の秘密を聞いて愕然とする。私の知らない内に世界は始まり、知らない内に終わろうとしているのだ。残された時間はわずか。〈私〉の行く先は永遠の生か、それとも死か?そして又、〔世界の終り〕の街から〈僕〉は脱出できるのか?同時進行する二つの物語を結ぶ、意外な結末。村上春樹のメッセージが、君に届くか?

やっぱり村上春樹。ぐうの音も出ないほどの名作です。

こうやってブログを書いている今でも泣けてくるほど大好きな作品で、これまでに何度も何度も読み返しています。中盤から後半にかけて、ずっと鳥肌がやみませんでした。

読書が趣味という、会社の部長にこの作品を貸し出したところ、定期的に食事と飲みに連れて行って貰えるようになったという逸話まである作品。まぁそんな損得勘定抜きで大好きなんですが。

まとめ

我ながら、好みに偏りがあるなぁと感じています。

私の基準で勝手にランク付けをしているので、読み手にとっては「なんで○○がランクインしていないんだ」とか、「不当な順位だ」とか、不満はあるかもしれません。

そんな時はコメント欄か何かでオススメを教えてもらえたら嬉しいのですが、どうでしょう。

ランキングのコメントの中で少し触れていますが、私は出版社や小説家たちとは一切関わりのない世界で仕事をしています。それに、今後もそういった業界に関わる予定も野望も、今のところありません。ただ、日常に追われ、かつて青春を共にした小説というものに触れる機会が随分減ってしまった事は残念に思っています。

最近話題となった有川浩の『図書館戦争シリーズ』や、三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ』、池井戸潤の『半沢直樹シリーズ』など、読みたい本はまだまだ沢山あります。大好きな村上春樹だって、まだ読んでいない作品がたくさんあります。

今年こそは、沢山の本を読んで書評をいっぱい放り込んで行きたいと思っています。本記事は、そんな同志たちの助けとなれば幸いです。

今年に入ってから読んだ本について、書けるものから書評を上記カテゴリに投稿しています。(小説が多め)

よろしければ、合わせてご覧ください。

【追記情報】

多くの反響をいただき、ありがとうございます。
ランキングについては変動させませんが、ご紹介情報に誤記/齟齬があった場合においては修正を致します。

1.「洋書」じゃなくて「海外文学」

勉強不足で申し訳ありません。ご指摘を受けて修正いたしました。ご指摘いただき有難うございます。

2.『ノルウェイの森』の「僕」は『風の歌を聴け』とは別人

解釈の問題と思うのですが、久しく読んでいませんので、少々自信が無くなってきました。私の方で読み直してご指摘の通りの認識となりましたら修正を致します。今しばらくお時間を下さい。

3.『ねじまき鳥クロニクル』シリーズについて

『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』、『海辺のカフカ』たちと同じく根強い人気のある長編小説ですね。
ランクインさせなかったのは、単純に私は『ねじまき鳥クロニクル』シリーズが好きになれなかったためです。

人によって好き嫌いの別れる作品があるのも、村上春樹の作品の醍醐味だと思います。

4.あまり本を読まない人のブックリストみたい

コメント返しをしようか、しまいか悩みました。
まとめ部分に記載していますが、自分でも偏りがある点は反省しております。

例えば、これから手に取る本は、ここに上がっている作家以外から選択する、等の新しい本の買い方が思い浮かびました。

貴重なご意見、ありがとうございます。

5.リアル鬼ごっこについて(Twitterより)

50位はネタ枠です。(笑)

ただのランキング50ではつまらないかなと思い、少々雑っぽく放り込んだのですが、笑って頂けたらしくて良かったです。

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